FP資格はひとつでも十分効果を発揮しますが、自分の経歴にさらに資格が加わることで相乗効果を生みます。
しかし、ダブルライセンスも相性の良い資格でないと意味を成しません。
そのため、この記事では、FPのダブルライセンスについて下記の内容を詳しく解説していきます。
- FP資格と相性の良いダブルライセンス
- FPがダブルライセンスを取得するメリット
- ダブルライセンスで取得する際の注意点
ぜひ最後まで読んで、参考にしてください。
FP資格と相性の良いダブルライセンス
FP資格と相性の良い7つのダブルライセンスをおすすめ順に紹介します。
- 宅建建物取引士:
- 社会保険労務士:
- 簿記:
- 行政書士:
- 税理士:
- 生命保険募集人:
- 賃金業務取引主任者:
それぞれの資格の概要や受けりやすさ、どのような相乗効果を生むのかを紹介します。
FP+宅地建物取引士
通称「宅建」と呼ばれる宅地建物取引士は、不動産取引に関わる法律に詳しい専門家であることを証明する国家資格です。
宅建とFP資格の相性は非常に良いです。
不動産は人生で最大の買い物と言われるほど高額なため、資産計画が欠かせないためです。
FPの資産形成の知識と宅建の不動産の知識を併せ持つことで、将来の資産計画を考慮したうえでの不動産の紹介やアドバイスが可能になります。
さらに、顧客からの信頼を得やすくなるのも大きなメリットのひとつです。
実際、不動産仲介業に携わる方で宅建とFPの両方の資格保持者の年収は高いです。
転職サイトでも『FPコンサル不動産営業募集。平均年収1,360万円、営業の75%が年収1,000万円超!』と言った記載を多数見受けられます。
年収を上げたい方、転職に成功したい方は、まずは宅地建物取引士の資格を検討しましょう。
宅建建物取引士の受かりやすさ・合格率
宅建建物取引士はFP資格よりは少し難易度が高いものの、他の国家資格に比べると比較的易しめです。
宅建の合格率は15~17%で推移しています。
FP資格所持者は、FP試験で不動産や税金などの法令に関する知識を学んでいるので、宅建の知識と重複する内容が数多くあります。
そのため、全く知識がないところからスタートするより、スムーズに勉強を進めることできます。
FP+社会保険労務士
社会保険労務士は、労働法や社会保険に精通した専門家であることを証明する国家資格です。
主に企業の法律や保険問題を扱い、労働者がより良い環境で仕事ができるようにサポートするのが役目になります。
そのため、FP資格との相性は非常に良いです。
FP資格で学ぶ個人に関するお金の知識と併せることで、労働者に寄り添ったコンサルティング業務を行うことができます。
社会保険に強いFP、年金に強いFPとして独立・開業も目指せるでしょう。
社会保険労務士の受かりやすさ・合格率
社会保険労務士の資格は、難易度が高いことで有名な士業の1つです。
近年合格率は上昇傾向にありますが、それでも社会保険労務士の合格率は6~9%と取得難易度がかなり高いです。
FP資格の中で最も難易度の高い1級でも、合格率が一桁台になることは滅多にありません。
しかし、FP資格所持者は社会保険労務士の受験勉強の際に有利です。
社会保険労務士は年金や社会制度などの共通した知識を必要とするため、FP試験で学習した内容を活かすことができます。
ただし、1級よりも深い知識や学習量が必要となるため、覚悟を持って勉強することが必要です。
FP+簿記
簿記は、企業の営業取引や経営活動などで出入りするお金や物を記録するために必要な知識の保有を証明する資格です。
お金を扱う資格であるため、FP資格との相性は非常に良好といえます。
特に銀行や保険会社などの金融業界に勤務している方からすると、昇格のためには必須とも言えるダブルライセンスです。
銀行では、資格ごとにスコアが設定されており、規定の点数を満たすことで昇格に繋がります。
FPと簿記は、どちらも高い点数を設定している企業が多く、昇格に大きく貢献してくれます。
金融業界に勤務しているならば、簿記の取得を目指すことをおすすめします。
簿記の受かりやすさ・合格率
簿記の難易度は、1~3級のレベルによって大きく異なります。
例えば、金融業界で昇格のスコアが設定されている簿記2級の合格率15~30%で推移しており、FP2級の合格率30~40%と比べると、難易度は少し高いです。
しかし、FP資格試験で出題される「バランスシート」は簿記検定でも欠かせない内容となっているため、初めて簿記を受験する人より有利に受験できます。
FP+行政書士
行政書士の資格は、行政書士法に基づく国家資格であり士業のひとつです。
主に企業や個人に代わって法的な権利義務・事実の証明に関する書類作成や手続きを行い、関連するアドバイスを行うのが役目になります。
当然、遺言書作成や遺産分割協議書などの相続に関する業務も行政書士の重要な仕事のひとつです。
しかし、相続となると、行政書士以外のお金に関する知識も必要になり、FPの知識やスキルが役立ちます。
FPのスキルや「相続・事業継承」の知識を併せることで、ライフプランニングに基づいた相続に関する提案や作成ができます。
行政書士の受かりやすさ
行政書士は、国家資格の中でも難関資格の一つです。
行政書士の合格率は10%前後を推移しており、簡単に取得できるレベルではありません。
そのため、相応の学習量や専門性の高い知識の習得が必要となります。
しかし、FP試験で出題される「相続・事業継承」や「不動産」の科目と共通している内容もあるので、FPで蓄えた知識を行政書士の試験で役立たせることも可能です。
FP+税理士
税理士は、豊富な税金に関する知識を保有する「税金の専門家」です。
企業や個人に対し、納税のアドバイスや確定申告の手続きをするのが主な役目になります。
FP資格とは、お互いにお金に関するプロであるため、両者が非常に相性の良い資格なのは間違いありません。
業務に活かすことで対応できる相談内容の幅が広がり、税務分野での顧客とのつながりを持つことを期待できます。
税理士の受かりやすさ・合格率
税理士は、誰もが知る難易度の高い資格です。
税理士試験に合格するためには11科目中5科目に合格する必要があり、条件を満たすまでに5~10年かかる人も少なくありません。
しかし、FP資格の知識と共通している内容が多く出題されるため、他の受験生と比較して有利に受験することが出来ます。
FP+生命保険募集人
生命保険募集人とは、生命保険の募集(営業)をするために必要となる資格です。
この資格を保有することで、初めて生命保険商品を販売することができます。
FPの資格だけでは「生命保険に関する商品」を販売することはできないのです。
そのため、FP資格と生命保険募集人と併せることで、保険の見直しから保険商品の提案まで行えるようになります。
生命保険募集人の受かりやすさ・合格率
生命保険募集人の試験は、ほとんどの人が合格できる極めて取得しやすい資格です。
正式な合格率は発表されていませんが、合格率80%以上と言われています。
そのため、保険商品や販売に関する基礎知識を理解しているFP保有者なら、難なく合格することができるでしょう。
FP+賃金業務取引主任者
賃金業務取引主任者とは、クレジット会社や住宅ローン金融機関などいわゆる貸金業者に設置が義務付けられている資格です。
主に、貸金業に関する法令の規定を遵守して適正な業務を実施するためのアドバイスや指導を行う役割を担います。
一見関係がないように見えますが、FPが住宅ローンなどの金融商品を紹介する場合には、貸金業者の登録が必要です。
そのため、FP資格とセットで保有しておくと、金融商品を専門としているFP事務所に従事する際に非常に重宝されます。
賃金業務取引主任者の受かりやすさ・合格率
賃金業務取引主任者試験はFP2級とほぼ同難易度で、比較的取得しやすい資格だと言えます。
実際、賃金業務取引主任者試験の合格率は30%前後で推移しています。
さらに、住宅ローンなどの不動産に関する知識が共通しているため、FP知識の強みを活かして合格を目指すことが可能です。
ファイナンシャルプランナー(FP)がダブルライセンスを取得するメリット
ファイナンシャルプランナーがダブルライセンスを取得するメリットは、以下の3点です。
- FP資格と併せることで相乗効果が発揮される
- 転職や就職時に有利になる
- 自身の活躍の幅が広がる
それぞれ詳しく解説していきます。
FP資格と併せることで相乗効果が発揮される
FP資格は、さまざまな業界の業務内容に付加価値を与えることが出来ます。
資格取得の過程で「不動産」や「相続・事業継承」、「資産運用」などお金に関する内容の6科目を習得しているためです。
そのため、特に不動産関係や金融関係の資格と相性が良く、高い相乗効果を発揮することが期待できます。
転職や就職時に有利になる
FP2級以上の資格であれば、単体でもさまざまな企業から高評価を得やすくなります。
難易度の高い資格の保有者であることやお金に関する詳細な知識を習得していることが証明できるからです。
しかし、就職や転職で資格をアピール材料として利用するのであれば、他の資格も併せて取得するとより効果があります。
FP資格と相性の良いダブルライセンスを取得して、転職や就職の際に有効活用してみてください。
自身の活躍の幅が広がる
FP資格以外の資格を保有することで、自身の活躍の幅を広げることができます。
例えば、FPと宅建士の資格を保有している場合、FP業務に加えて宅建士の独占業務を行うことが可能です。
宅建士の独占業務は、不動産取引時に絶対に必要となる業務であるため、資格保有者は非常に重宝されます。
このように、それぞれの資格を併せ持つことで、FP+各資格保有者にしか許されていない業務を行える希少な存在になれるのです。
ダブルライセンスで取得する際の注意点
ダブルライセンスで資格を取得する際は、以下の3点に注意する必要があります。
- 相性を考えずに無闇に取得しない
- ダブルライセンスはFP2級以上を取得してから
- 事前に必要な学習時間と費用を把握する
どれも重要な内容となりますので、それぞれ詳しく解説していきます。
相性を考えずに無闇に取得しない
ダブルライセンスを検討する場合、資格の相性を吟味したうえで取得する必要があります。
相性が悪い資格を取得しても高い効果を期待できないためです。
例えば、FPと危険物取扱者と取得した場合、そもそもの知識内容が異なるため相乗効果を得られません。
こうなってしまうと、時間の無駄になってしまいます。
FP資格とのダブルライセンスを検討する際は、自分がしたい仕事を見据え必要な資格を取得するようにしてください。
ダブルライセンスはFP2級以上を取得してから
FP資格とのダブルライセンスの効果を狙うのであれば、まずはFP2級以上を取得することをおすすめします。
FP3級は基礎知識がメインとなっているため、他の資格を取得してもダブルライセンスとしては不十分です。
そのため、まずはFP2級に合格することが必要不可欠です。
事前に必要な学習時間と費用を把握する
この記事で紹介した資格には、取得するために必要な学習時間の目安があります。
例えば、宅建士は約200~300時間、税理士は2,500~6,000時間の学習時間が必要です。
この必要な学習時間を把握していないと、有効な学習計画を立てることができません。
そのため、自身がダブルライセンスで取得する資格が「どのくらいの学習時間が必要なのか」を事前に把握しておくことが重要です。
ただし、独学と通信講座・通学講座で学習する場合では、資格合格までに必要な時間が異なります。
過去のノウハウが詰まった通信講座・通学講座を受講する方が圧倒的に短期間で合格できます。
取得までに必要な時間を極力減らしたい方は、通信講座・通学講座を検討してみてください。
まとめ
- 宅建建物取引士
- 社会保険労務士
- 簿記
- 行政書士
- 税理士
- 生命保険募集人
- 賃金業務取引主任者
この記事で紹介した資格は、どれもFP資格と相性が良く業務にも良い影響を与えるので、ぜひ取得を検討してみてください。